ハンガリーワインとその他のお酒
  2005.Nov.

これを飲まなきゃ始まらない・トカイ

 トカイ・ワイン(Tokajトカジと読めますがトカイです)、その名を聞くだけでミツバチが集めた花の蜜におぼれていくようなとろけるような感覚。フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと共に世界三大貴腐ワインとして名を連ねています。

 ブダペストの東約230kmに位置している町の名前がトカイ。一般にトカイ・ワインとして知られているものはトカイ・アスー Tokaji Aszú。ブドウに付く貴腐菌の作用によって糖度が増したブドウをペースト状にすり潰し、本来普通のワインを造るときに使うブドウに加えて醸造します。その時このペーストを入れる入れ物の単位をプットニョシュputtonyosと呼び、3から6プットニョシュまであります。数字が大きくなるにしたがって甘みが増していきます。

 食後のデザートワインとしてチョコレートを口に転がしながら味わったり、クルミの入ったケーキと一緒にいただいたり。アペリティフとして飲むのであれば、生、または軽くソテーされたフォアグラと組み合わせれば“甘”の味覚に極上の刺激を与えてくれます。

 トカイ・サモロドニTokaji Szamorodoniも有名。サモロドニは貴腐菌が付いているブドウを選別せずに、普通の葡萄と一緒に醸造されたもので、甘口édesと辛口szárazに分けられています。トカイ・アスーよりもお気軽に飲まれています。

 トカイワインは王侯貴族達だけに許された密かな楽しみでもあり、フランスのルイ14世は“王様のワイン、ワインの王様”と称し絶賛しました。


美女に囲まれて雄牛の血をたぎらせる?・エグリ・ビカヴェール

 当然ハンガリーではデザート用に楽しむだけの甘いワインだけではなく数多くの質の高いものを輩出しております。

 “雄牛の血”と呼ばれる赤ワインのエグリ・ビカヴェールEgri Bikavér。“雄牛の血”の産地であるエゲルEgerはブダペストから東127kmに位置し、ワイン・セラーが70件も軒を連ねている美女の谷と呼ばれる場所が有名。もちろんどの店でも試飲可。その一帯がワインの香りに包まれていますが、悪く言えばアル中の街。

 いえいえ、エゲルはハンガリーの小学校の遠足場所としても非常に有名なのです。ハンガリー人の心のでもあるのです。念のため。


パーリンカでおはよう。朝から40度の食前酒?・パーリンカ

 ヨーロッパでは食前酒には香りの高い蒸留酒が好まれますが、ハンガリーで造られてるのはパーリンカPálinka。アプリコット、ブドウ、洋梨、プラムなどの果実を使った香り豊かなお酒で、日本人の口にはアプリコット・パーリンカがお勧め。ケチケメート産のものが一番有名です。

 以前ハンガリーの家族に連れられ田舎へ遊びに行ったとき、ぐでんぐでんに飲まされた次の朝“パーリンカでおはよう”と挨拶がきました。“何?”と訊くと宿泊所のロビー卓上には数人分のパーリンカが食前酒用のグラスになみなみと注がれているではないですか。飲む前に目がクルクル、飲んだ後に頭がクルクル回ったことは言うまでもありません。


ハンガリー版養命酒・ウニクム


ウニクム・ボトル
ハーブを数十種類配合したお酒ウニクムUnicumは美味しいと言うより悪酔い防止。おなかの調子を整えるための日本で言う養命酒的存在。前の晩ぐでんぐでんに飲み過ぎて二日酔いのあなた!よく冷やしたウニクムをシェリー・グラス一杯ほど飲むとよく効くそうです。(ちなみに著者は二日酔いにならないためあくまで人の話)そのためかこのボトルには十字のマークが入っています。各大きさの瓶があり、ずんぐりむっくりの形が愛らしくお土産としても有名です。 
 


シシーの香りは子供飲み薬の遠い思い出・・

Sissi シシーことエリザベートはハプスブルク家最後の皇帝フランツ・ヨージェフのお妃。オーストリア・ハンガリー二重帝国当時、ハンガリー贔屓として知られ、今もなおハンガリー人に深く親しまれています。そんな彼女の愛称をずばり名前にした“シシーSissi”。何種類かの味が発売されていますが、ハンガリー名産のアプリコットを使い、アプリコット・パーリンカでは最高の質を輩出しているZwack社が生産しているとなると自ずから興味が倍増。うたい文句も“最高のアプリコットとフレッシュな生クリームを使った傑作”と書かれています。バーゲンで念願のシシーを購入、お味は子供の頃の飲み薬の味が呼び起こされ何とも言えない気持ちが・・・


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