Szagamiのワイン村
    2005.Nov.

これこそ世界に羽ばたくハンガリー・ワインの美学

 正直言ってハンガリーへ来るまではトカイ・ワインとエグリ・ビカヴェールがハンガリー・ワインの全てだろうと思っていました。今思うと非常に恥ずかしいこと。

 知り合いの家へ呼ばれた時には、女性には花、男性にはワインという習慣があるので良いワインを選びたいし、ワインの卸をしている知り合いもいるし、また多くの飲ん兵の友達もいるし、と言うことでいろいろなワインを知る機会が出来ました。

 世界的に有名なトカイ・ワインだけではなく、ハンガリー原種の葡萄を使った自慢のワインもあり、生産高は世界のトップテンに入るほどです。

 また欧米のワイン・コンテストにも数々のハンガリー・ワインが入賞しており、日本ではまだまだ知られていない数多くの名品が紹介されるのを待っています。

 そのバラエティー豊かなハンガリーワインからいつも飲み慣れている銘柄、1度しか口にしたことがない銘酒まで自分の好みと客観的なストーリーを示しながら連載していきます。

 個人の好みでワインの判定をされては製造者にとって心外でしょうが、私の口に合わなかったワインも紹介していきます。

 さあ、ハンガリーまで飲みに来てください。

印は入手難易度を表しています
=ほとんどのスーパーマーケットで入手可
★★=ワイン専門店で入手可
★★★=ワイン専門店でも置いていないことも 
 

秋の夜長に 
赤ワイン・ドライ
製造元:ヴェステルゴンビVesztergombi
1998年
ブドウ種:メルローMerlot
 ★★
Vesztergombi-Merlot98  8月20日を過ぎると夏が終わるとはハンガリー人はうまく言ったものです。秋がすぐそこまできている夜長に読書と共にチーズとワインをお試しあれ。栓を開けると甘いバラの香り、強すぎない渋みがクリーミー・タイプの青かびチーズの甘みを引き立たせます。兎角ワインには女性のイメージがつきまといますが、これはまさしく女性が心地よく飲む一本。ポークのヒレのスライスを軽くソテーした後に黒オリーブのみじん切りと削りたてのパルメザン・チーズをのせたものと合わせても・・・ 唸ってしまいました。
 
 
たまには赤を・・・ 
赤ワイン・ドライ
製造元:ヴィリアンVylyan
1995年
ブドウ種:カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon
 ★★
Vylyan  以前からこのワイン・セラーの評価が高いことは知っておりましたが、どうもこの名前とラベルが気に入らず飲まず嫌いをしてました。それが昨日このワインの営業が来て味見にと1本置いていきました。早速開けてみると深紅色にベリー系の味が含まれ、ちょっとタンニンが強いが素晴らしいバランス!でももう少し寝かした方がさらに良くなる期待のワイン。是非、鴨のロースト・ブラウン・ソースと共に試してみて。
 
 
30年余りの時を越えて・・・ 
貴腐ワイン・スウィート(3puttony)
製造元:トカイ・ボルコンビナート(国営企業)
Tokaj borkombinat
1968年
 ★★★
写真は4プットニ  ミレニウム前の大晦日に”ドン・ペリ”と洒落込んだ方もかなりいたことでしょう。私は98年のオークションで競り落とした一本を開けてみました。ボトルには製造元が共産時代に強制的に国営企業に併合された証、赤い星のマークが。まさしく筋金入りのコムニズムッシュの薫り。と言うよりは深みのある薫り。3プットニョシュとは思えない程の濃い色と強いコーヒーのアロマは30年余りの年月によって創り出された結晶です。(写真は4プットニョシュ)
 
 
香りに技あり! 
白ワイン・ドライ
製造元:スーケ・マーチャーシュSzőke Mátyás
1996年
ブドウ種:レアーニカLeányka
 ★★

 復活第一弾としてちょっと個性的なこの1本。グラスに注がれたこのワインはモカクリームのほのかな香り。香りとは裏腹に引き締まり、バランスのとれた辛口はまた魅力的です。製造元はブダペストとエゲルの間に位置するGyöngyöstarjánの名門。どの白にも安定した味があります。日本では和食に白ワインという楽しみ方が徐々に増えているそうですが、ほんのり甘みののったヒラメの刺し身と共に香りを満喫したりそのままワインだけでもいけます。

 
 
有名どころ! 
白ワイン・セミ・ドライ
製造元:エゲルヴィンEgervin
1997年
ブドウ種:レアーニカ(Eger)Leányka
 
Egervin-leanyka97  ハンガリーを代表するブドウ種ですが、栽培され始めたのは比較的新しい1960年代。赤ワインが有名なエゲルで双璧をなす白ワイン。酸味を感じるのが一つの特色。個人的には単品だけで飲むのは好みではありません。魚料理に合わせたほうがいいと言われるが、上品な味のニンジン・ピクルスに合ってしまったのはなぜ?(非常に安いので此方で飲んでいってください)
 
甘党ファンへPart1  
白ワイン・スウィート
製造元:ソーローシュケルト・ソヴェトケゼット・ナジレーデ
Szőlőskert szövetkezet Nagyréde
1991年
ブドウ種:マスカット・オットネルMuscut ottonel
(オットネル・ムシュコターイOttonel muskotály)
 ★★ 
 甘党を満足させるのはトカイアスーだけではありません。エゲルの西に位置するNagyrédeのこのメーカー、私のお気に入りの一つです。個性が強いので食事を選びますが、芳醇な香りはくせになります。(単品でビター・チョコなどと)でも最近はこれを飲みません。これに変わるお気に入りが出来ましたので、次回もったいぶって紹介します。
 
 
もうひとつおまけに紹介 
白ワイン・ドライ
製造元:ソーローシュケルト・ソヴェトケゼット・ナジレーデ
Szőlőskert szövetkezet Nagyréde
1997年
ブドウ種:シャルドネChardonnay
 ★★?
 
Nagyredeシャルドネ  どこで迷ったかつぶれそうなレストランで飲んだワイン。上記のワインメーカーと同じ出身だが、今まで気に留めていなかったようで初めて飲みました。大衆受けさせるためか、大量消耗品と位置づけのためなのか水みたいなシャルドネ種が多い中、私のお気に入りのメーカーは失望させないでくれました。ドライと言ってもシャープな感じではなく、ハーブと蜂蜜で漬けた地鳥なんかが合うのだろうなとまずい夕食を噛締めたのでした。
 
 
ワインが楽しいワイン! 
白ワイン・セミ・スウィート
製造元:エゲルヴィンEgervin
1996年
ブドウ種:デブローイ・ハールシュレヴェルー
Debroi hárslevelű
 
 レストランでいつも飲むワインがたまたまなくてウェイターの勧めで飲んだのが初めて。スーパーマーケットでも良く見かける定番ですが、値段の割にこのうまさはかなりお得。製造元は雄牛の血で有名なエゲルの最大手のエゲルヴィン。どのワインも安定した味で楽しめる。特にハールシュレヴェルーはちょっとしたブーケの香りが残るバランスのいいワインです。薄味にまとめたスカンピやサラッとしたクリーム・ソースのかかった料理にぴったりです。
 
 
次はウォーミングアップ! 
白ワイン・スウィート
製造元:バラトンボグラーリ・ボルガズダシャーグ(通称BB)
Balatonboglári borgazdasági RT.
1996年
ブドウ種:トラミニTramini
 
 
バラトン・ボグラール−トラミニ  スパークリング・ワイン(こちらでは堂々とシャンパンと呼んでいる)でも有名なバラトン湖南部の製造元。このブドウ種、ドイツ語名はgewurztraminerです。もう少し極めてみたいブドウ種のひとつ。べた甘ではなくサラッとした飲み越しで、飲むペースがつい早くなりがちに。ドイツのものよりくせがなく、強いマスカット臭に近く軽いハチミツの香りが心地よい。
 
 
ワイワイおしゃべりの必需品! 
白ワイン・セミ・ドライ
製造元:トカイ・ケレシュケドゥーハーズ
Tokaj kereskedőház RT.
1996年
ブドウ種:フルミントFurmint
 
 ハンガリーで親しまれている定番中の定番のひとつ。貴腐ワイン、トカイ・アスーのベースとしても使われているブドウの一種です。ワインを飲み慣れていない方の第一歩としてお勧め。さわやかなリンゴとブドウの中間のような香りは、遠い昔に舐めたドロップ・キャンディーのブドウ味が思い出されるなんて言わないでください。製造元は1988年のトカイ・アスーで銀賞を獲った実績があります。ほとんどのお店で取り扱われている製造元で、トカイ地方で一番有名な会社です。
 
 
せんさいな 
赤ワイン・ドライ
製造元:ボック・ピンツェBock pince
1994年
ブドウ種:カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン
Cabernet sauvignon & Cabernet franc
 ★★
 
Bock94-Cabernet Sauvignon&Franc  ペーチとモハーチとの間に位置するヴィッラーニで名品を生み出す魔法の製造元、ボック・ヨージェフBock Józsefおじさんの作品。この組み合わせのキュヴェを得意とし91、93年と賞を取っています。重い肩書の割に口に含むとすっと広がる軽やかさと、それほど強くないタンニンのためワインだけでも楽しめます。次回蔵元へ足を運ばせたくなるのに充分な1本。牛タンのシチューなどに。
 
 

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