ブダペスト/洞窟探検
     2005.Oct.26

 ブダペスト探検に物足りなくなったあなたには本物の洞窟探検を 
 
 
洞窟
 

 大昔は海底だったブダペスト、長い年月による地殻変動で陸地となり、ブダの王宮周辺を含めブダ側の丘陵地帯は、石灰質の岩盤で形成されています。雨粒が地上に降り注ぐ時に空気中の二酸化炭素を含んで弱酸性になり、地上に到達してから土に染み込み、その成分を吸収しながら更に酸性度を増していきます。そして石灰質の岩盤の割れ目から浸食して空洞を作り、数十万年から100万年以上の気の遠くなるような時を経て、できあがるのが鍾乳洞。いずれ鍾乳洞もゆっくりと年をとり、大地の一部としてその姿を消すことになります。

 ブダの丘では一般公開されている洞窟として、王宮洞窟Var-barlang(2005年10月現在閉鎖中)とラビリンスBudavari Labirntusが有名。前者は第二次世界大戦時に住居や基地として使われ、現在でも災害時、要人のための緊急医療施設があるとも噂されています。また後者は個人所得の洞窟でちょっとしたエンターテイメント性を持たせており、本物のワインが流れ落ちる泉など、外の賑わいから離れた不思議な空間へと誘ってくれます。

 今回訪れた鍾乳洞は、オーブダ地区(古いブダの意)に位置するセムロー山鍾乳洞Szemlo-hegyi-barlang。コロシ広場から29番のバスで3つ目の停留所で下車。途中、自然保護地に指定されている小さな断層を右に眺めながら、あっという間に到着。毎時間ハンガリー語、若しくは人が多ければその他の外国語のガイディング・ツアーで、鍾乳洞内を散策していきます。外気は夏の炎天下ということもあり、33度を超えていたのにも拘らず内部は結構肌寒く13度ほど、下手なクーラーより身体の芯をずっと冷やしてくれます。地表から染み込んできた水滴が滴ってきますので、スリップしないよう注意。こだまのように響き渡るガイドの声と、水が滴る音以外、外部と遮断された世界へと奥に進みます。
洞窟の壁
内壁はヒキガエルの肌のようないぼいぼに覆われている場所が多く、じっと見つめていると何だかじんましんが出てきそうなくらいリアル!パッと開けた天井の高い空間では、柱状やつらら状の鍾乳石は見当たりませんでしたが、数十センチから、物によっては1メートル以上の剣山の細長い針をひっくり返したような鍾乳石が、びっちり天井を覆っています。前日に雨が降ったので滴る水の量も多く、時々頭に垂れてヒヤッとさせられることもありますが、何だか秘密の空間に来たみたいで現世を忘れることができます。世界各地、各宗派の修行僧が、洞窟で悟りを開いたりすることをちょっと理解できた一時でした。1時間弱の短い行程ですので、お時間のある方はここから歩いて10分ほどのパール渓谷鍾乳洞Pal-volgyi-barlangへ足をのばしてはいかがですか?こちらの方は変化に富む鍾乳洞で、ブダペストが太古の時代海底だったことを示すタコノマクラ(ウニの仲間)の化石なども見ることができます。


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