ザ・オークション01
    2005.Nov.

娯楽としてお気軽に楽しもう、ブダペストのオークション

 ブダペストでアンティーク市と言えばエチェリ・ピアツEsceri Piacが東欧最大の規模を誇り有名ですが、骨董好きな人が集まり過ぎたようでここ最近訪れるたびに相場が上がっている印象を受けます。

 その反面、市内の骨董屋主催のオークションが前にも増して数多く開催されるようになりました。“ヨーロッパで行われるアンティークを扱うオークション”と言うと敷居が高く特別な人にしか門戸が開かれていないように聞こえますがそこは庶民的なブダペスト。数十年前に使い古されたゴルフ・ボールや製造元のわからない陶器など500フォリント位から始まるオークションもあり、からかい半分でも十分娯楽として楽しめます。金貨、宝飾、カメラ、ワイン、100ピース以上のヘレンドのセットなど、主催者側の企画力と格の品定めも楽しみの一つ。

 本日のレポートは10-30万フォリントが落札価格中心のある骨董屋のオークションから。開催の数日前から落札にかけられる商品に通し番号が付けられ、その後店内で展示、手にとって見ることが出来ます。展示品の中に、表紙に日本語が書かれた冊子を発見。中を見ると花札やパターンを集めたデザイン集でした。

 店員に聞くと19世紀の物とのこと。明治時代にタイム・スリップした気分を味わうこと数十秒、ヨーロッパ人から見ればとてもエキゾチックな本でしょうが、生っ粋の日本人から見ると少々芸術性に欠けるかな。ちなみにスターティング・プライスは16000フォリント。その他18-19世紀のガラス製品、18世紀の書籍などをチェックして数日後の本番に臨むことにしました。

オークション会場会場に集まってきた人やプロ達の真剣な顔つきで、今回は安価な商品を対象にしていないことがわかります。がらくたオークション開催の時は、落札予定の品物のリストが数日前からスターティング・プライスと共にコピーされお持ち帰り自由のなのですが、今回はお値打ちものが多数出品されるとあって、全ページカラーの豪華なカタログが有料で用意されていました。

 開催時間夕方5時には熱気がむんむん。観光客はウィンドー・ショッピングを楽しむがごとく外から覗き込んでいます。入場制限や前もっての申し込みはないので、誰でも気軽に入れます。プロと思われる常連さんが、約100席ほどの用意された簡易席の前席を埋めています。

 今回の競売者は不明瞭な声の年配の男性。このオークションを取り仕切る役員の一人でしょうけれど、歯切れが悪くてやる気がなさそう。お宝の多いときはテンポときれのいいハキハキした若い男性の声でオークションを進行してほしかった・・・お宝度が高いので携帯電話を使って競り主と連絡をとる人もちらほら。徐々に立ち見客が増え熱い競り合いとなってきました。

 今回の目玉の一つ(と言ってもハンガリー人にとってですが)は先日ピストル自殺(暴発?)で亡くなった歌手ザンボー・ジミー(Szagami銘々ハンガリーの井上陽水)のサイン入りクラシック・ギター。各局報道陣もショット・スポットを確保して、ビデオやカメラを回しています。50万フォリントからのスタート、残念ながら競り主が現れずに落札されず。報道陣はオークションには興味がなかったようでさっさと引き上げていきました。

 18世紀のろうそく立てや置き時計は初値の2倍3倍へと競り上がっていきます。競り主はいないだろうと思っていた日本のデザイン冊子は、26000フォリントで落札されました。(以前のオークションでは日本の富士が描かれた19世紀のいんちき陶器が競り落とされなかったのに。)

 春もたけなわ日が延びてきて夕方でも外も会場も明るいオークションはまだまだ続くのでした。


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