大晦日
    2005.Nov.

プープー笛と共に始まる大晦日。

 20世紀最後の大晦日のはずなのに、昨年のミレニアムに変わる瞬間の気合の入れ方とは違い浮足立った盛り上がりに欠けた2000年最後の日。テレビ番組で放映された世界各地での新年の実況中継も、いま一つ力が入っていなかったように感じました。ブダペストもそんなおとなしい世界各地のひとつ。

 クリスマスはキリスト教国にとって家族と一緒に過ごす大事な日。大晦日までの間の平日は日本人の正月明けと同じく、体裁だけは“取りあえず”の日常生活に戻ります。すぐそこに迫る年末年始の大騒ぎに、公官庁から会社などに正常な機能を求めるのはご法度。

 街の通りに日々タケノコのように増えていく露店では笛やお面がクリスマスツリーに替わって売り出されるようになり、市場やスーパーの食料品売り場はクリスマスの主人公であった七面鳥やベイグリと呼ばれるロールケーキの代わりに大晦日に食されるソーセージが、今年もショーケースの中で誇らしげにスペースを占領していました。午後になって露店以外は店じまいを始め、交通機関も間引き運転になります。そろそろボルテージの目盛りの上向き度が最大限に。

 昨年は残念ながら雪が降り、さらに靄で花火が打ち上げられたドナウ川岸が何も見えず、ハンガリー人と共に“4000万フォリントの企画が台無しだ!”と叫んでいました。昨年と比べ規模が小さいながら今年も花火が打ち上げられるとのこと。一日中天気が心配だったのですが、夜8時の時点で満天の星。欲張って全ての花火が見れるゲッレールトの丘で新年を祝うことに。やはり寒さに対抗するためにはガソリンを補給しなくては。まずはシャンパン一本を開けて、喧騒のヴァーツィ通りへ。

 この日のこの場所には、毎年ハンガリー人だけでなくブダペストで年越しを迎える外国人が一斉に集まるのです。笛を売るオヤジ達行き交う人々皆、露店で買えるお面や光るアクセサリー身につけ、この日の必需品である円錐形の長い紙の筒の笛をブーブー鳴らします。そしてその笛で“パーン”とすれ違う人の頭を叩きます。何も知らずに一発食らうと、一体何が起こったかわからず腹が立ってきますが、回りを見回してみるとなんてことはない。これは大晦日の無礼講の儀式らしいと気が付くのに数秒とはかかりません。かわいい女性や奇抜な格好をしている人は要注意!叩かれる頻度が高くなります。

 叩き叩かれつつ“明けましておめでとう!(Boldog új évet kívánok! ボルドグ・ウーイ・エーヴェト・キーヴァーノク。または頭文字だけをとってBUÉKブエーク)”と挨拶をしましょう。

 ヴァーツィ通りを行ったり来たり、ヴォロシュマルティ広場では舞台で小さなコンサートが行われ、気分が高揚してきたところで年明けのカウントダウン、運が良ければシャンペン飛沫の攻撃にであえます。今年は実況をヴァーツィ通りからゲッレールトの丘へ。ここでのカウントダウンは、ラジオ放送のハンガリー国歌と共に皆の健康と幸福を願いながらシャンペンで乾杯。新年の空には色とりどりの花火を暫し楽しむことが出来ました。 

鎖橋からの花火

  帰路途中のエリザベート橋は、花火のため車両進入禁止で歩行者天国状態。普段はできない“ど真ん中を気持ち良く堂々と闊歩”して、宴を楽しむ人々の波に消えたのでした・・・
 

エリザベート橋を歩いて渡る

 
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